サブレ、クッキー、ビスケット、クラッカーなど、薄型の焼き菓子には様々な種類がありますが、その具体的な違いについて詳しくご存じでしょうか？
多くの方が何となくの理解はあるかもしれませんが、実際のところ詳しくは知らないという方が多いのではないでしょうか。
この記事では、サブレとクッキーの違いに焦点を当て、これらの違いを明確に説明します。
サブレとクッキーの違い
サブレとクッキーを区別する主な要因は、使用される材料にあります。
様々な焼き菓子があり、それぞれの違いを理解するのは容易ではありませんが、サブレとクッキーの違いは特に材料の選び方に現れます。ここでその詳細を説明しましょう。
サブレの材料
サブレはフランス伝統のレシピに従って、「バターと小麦粉＝1：1」の割合でバターを豊富に使用します。主成分には小麦粉、バター、砂糖、卵、塩が含まれ、これらの割合がサブレ特有のサクサクとした食感と豊かな風味を生み出します。
クッキーの材料
一方、クッキーは「バターと小麦粉＝1：2」の割合で、より多くの小麦粉を使用します。アメリカ発の焼き菓子で、サブレと同じ基本材料を使用しながらも、小麦粉の比率が高いことが特徴的なテクスチャを与えます。
サブレとクッキーの違い：材料の使い方
サブレとクッキーの作り方にはどのような違いがあるのでしょうか。
これまでに材料の違い、特にバターの使用量については触れてきましたが、サブレとクッキーの最も大きな違いはバターの使い方にあります。
ここからはバターの使い方について具体的な違いを探ってみましょう。
サブレを作る際のバターの使い方
サブレを作る際には、冷蔵庫から取り出した冷たいバターを使用します。このバターを細かく切り、小麦粉と混ぜ合わせながら粉状にすることで、「サブラージュ」という技法が用いられます。このフランス語で「砂」を意味する名前の通り、この方法によってグルテンの形成を抑え、軽くサクサクした食感を作り出すことができます。
クッキーを作る際のバターの使い方
一方、クッキー製法では、バターを室温で柔らかくした後に使用します。柔らかくなったバターをクリーム状に泡立て、そこに砂糖や卵、小麦粉を混ぜ合わせます。この方法は「クレメ法」と称され、フランス語で「クリーム状にする」という意味があります。
サブレとクッキーの違い：カロリー
サブレとクッキーのカロリー差も注目されるポイントです。
| サブレ | クッキー | |
| カロリー（100ｇあたり） | 459kcal | 544kcal |
日本食品標準成分表によると、サブレは100g当たり459kcal、クッキーは100g当たり544kcalとされています。この差はバターの使用量と製法の違いによるものです。サブレとクッキーの一般的な重量に基づくと、サブレは1枚約33g、クッキーは1枚約8〜10gで、それぞれのカロリーは食べる量によって変わります。
また、クッキーにチョコレートやナッツが加えられると、さらにカロリーは上がることを念頭に置くべきです。
ややこしいけれど面白い！ビスケット、クラッカー、ガレットの区別
サブレとクッキーの違いがお分かりいただけたと思いますが、他にも似たような名称で混同しやすいお菓子があります。
ビスケット、クラッカー、そしてガレットについて、それぞれの特徴を掘り下げてみましょう。
ビスケットとは
ビスケットはイギリス起源の焼き菓子で、「bis coctus」（ラテン語で「二度焼く」の意）が名前の由来です。
もともとはパンを二度焼きして保存性を高めたもので、軍隊や航海用の食糧として利用されていました。17世紀のイギリスにおいて、現代のビスケットの形に発展し、江戸時代には日本にも伝えられました。
アメリカでは、移民たちによって広められ、「クッキー」として知られるようになりました。そのため、ビスケットとクッキーはもともと同じものを指していたのです。
クラッカーとは
クラッカーは、イーストを使用して発酵させた後に作る、薄くて硬いビスケットの一形態です。
クラッカーはほとんど甘くなく、塩味が強いことが特徴です。
ガレットとは
ガレットは「丸くて平たい」という意味のフランス語由来の言葉です。ガレットは甘いお菓子だけでなく、そば粉で作るクレープのように、さまざまな形の料理に使われる名称です。
フランスのブルターニュ地方から来た伝統的な焼き菓子や、アーモンドクリームを詰めた「ガレット・デ・ロワ」など、多様な形のガレットが存在します。
サブレ、クッキー、ビスケット：国ごとの呼称の違い
サブレ、クッキー、ビスケットなどの焼き菓子は、国によって呼び方や捉え方が異なります。各国でこれらがどう呼ばれているかを見てみましょう。
日本でのサブレ、クッキー、ビスケット
日本では、これらのお菓子は一般に「ビスケット類」と総称されます。
ビスケットの中でも、糖分や脂肪分が全体の40%以上で手作り風の見た目を持つものは「クッキー」と分類されます。
イギリス・アメリカでのサブレ、クッキー、ビスケット
イギリスでは、これらのお菓子は全て「ビスケット」と呼ばれています。
一方、アメリカでは「クッキー」という言葉が用いられ、イギリスの「ビスケット」に相当します。
しかし、アメリカで「ビスケット」と言うと、厚みのあるパンのようなものを指し、これはイギリスでは「スコーン」と呼ばれます。同じ言葉が異なるアイテムを指すため、国によっては混同が生じることもあります。
このように国によって名称が異なるため、スーパーでお菓子を選ぶ際にも異なる呼び名の背景を理解することが大切です。それにより、自分が求める具体的な味やタイプを正確に選べるようになり、より満足できるお菓子選びが可能になります。
サブレとクッキーの違いまとめ
- サブレとクッキーはバターの量が違う
- サブレは冷たいバターで作る
- クッキーは室温で柔らかいバターで作る
- クッキーのほうがサブレよりカロリーが高い
