スーパーマーケットでよく見かけるメークイン、男爵芋、馬鈴薯など、ジャガイモにはさまざまな呼び名がありますよね。
それぞれ異なる特徴があるのですが、それらの違いをご存じですか?
また、ジャガイモの種類によって適した料理が異なります。
食べるならその料理にあったジャガイモを使用して美味しく食べたいですよね。
この記事では、メークイン、男爵芋、馬鈴薯などのジャガイモの呼び名や各種類とその特徴について、また、ジャガイモの品種別に最適な調理方法をわかりやすくご紹介します。
メークイン、男爵芋、馬鈴薯の特徴と違いとは?
スーパーマーケットの野菜売り場でよく目にするメークイン、男爵、馬鈴薯。
これらは全てジャガイモの一種ですが、それぞれにどのような特徴と違いがあるのでしょうか?
今回はジャガイモを「馬鈴薯」と「メークイン・男爵」という二つのグループに分け、各々の特性と違いを詳しく解説していきます。
馬鈴薯(ばれいしょ)とは?
馬鈴薯とは、日本におけるジャガイモのもう一つの名称です。
つまり、日本では「馬鈴薯」=「ジャガイモ」です。
ジャガイモ・馬鈴薯の歴史
ジャガイモは江戸時代初期にオランダ人を通じて日本に伝わりました。ジャガタラ(現ジャカルタ)港から運ばれてきたのが最初といわれています。
ジャガタラから運ばれてきた「ジャガタライモ」は、やがて短縮されて「ジャガイモ」と一般的に呼ばれるようになりました。
ジャガイモ=馬鈴薯の理由
ジャガイモは「馬鈴薯(ばれいしょ)」とも呼ばれていますが、この名前にも歴史があります。
「馬鈴薯」はもともと中国由来で、中国ではこの言葉がマメ科の植物であるホドイモのことを指します。
1808年に日本の学者が「馬鈴薯はジャガイモだ」と述べたことから、ジャガイモは日本で馬鈴薯と呼ばれるようになりました。
したがって、中国では馬鈴薯がホドイモを示し、日本ではジャガイモを指す名称となっています。
メークインと男爵芋:異なる特性を持つジャガイモの品種
メークインと男爵芋は、日本全国で広く栽培されているジャガイモの代表的な品種で、私たちの食卓にも頻繁に登場しています。
最適な生育温度は15℃から21℃で、日本の多様な気候に適応して栽培されています。
メークインと男爵芋は同じジャガイモではありますが、それぞれに特有の特性が存在します。
それぞれの品種が持つ特徴とその違いを丁寧に解説していきます。
メークインの特徴
メークインというジャガイモは、滑らかな表面と長楕円形の形状が特徴で、皮が非常になめらかなので、剥きやすい特性があります。
メークインは粘り気があり、滑らかで甘みが強いのも特徴です。
また、男爵芋より黄色が強く、煮ても形が崩れにくいという特長があり、煮物に最適です。
元々イギリスで「May Queen」という名前で知られ、大正時代に日本に伝わりました。
男爵芋の特徴
ゴツゴツとした表面が特徴の男爵芋は、多くの人がジャガイモを想像する際に思い浮かべる典型的な形をしています。
メークインよりも丸く、表面に凹凸が多いため皮を剥くのが少し大変ですが、その食感はホクホクしており、じゃがバター、マッシュポテト、コロッケなどの料理に非常に適しており、美味しくいただけます。
男爵芋はアメリカ原産の「アイリッシュ・コブラー」という品種を日本で栽培し、成功した品種です。
このジャガイモを日本に紹介したのは川田龍吉男爵で、彼の名を冠して「男爵芋」と名づけられました。
メークインと男爵芋:でんぷん含有量の違いとその影響
でんぷんの量はジャガイモの食感に影響を与えるので、これが品種ごとの重要な違いとなっています。
メークインと男爵芋は、どちらも日常の食事でよく使われる品種ですが、でんぷんの含有量が異なるために、それぞれ独自の性質を持っています。
メークインの特徴:低いでんぷん含有率
メークインは、でんぷん含有率が16%未満と比較的低いです。
この低いでんぷん量は、粘性が高くなるため、しっとりとした細かな食感を楽しむことができます。
この特性がメークインを調理時に崩れにくくするため、様々な料理に適しており、調理のしやすさが魅力です。
男爵芋の特徴:高いでんぷん含有率
男爵芋のでんぷん含有率は16%以上と比較的高く、この豊富なでんぷん量が粘性を低くし、粉っぽい質感を生み出します。
この特性が、加熱するとホクホクとした食感をもたらし、料理に独特の風味と満足感を加えます。
メークインと男爵芋:それぞれの調理法で味わう違い
メークインと男爵芋は、でんぷん含有量が異なるため、加熱したときの食感も大きく変わります。
この違いを生かして、それぞれのジャガイモに適した調理法を選ぶことが大切です。
メークインと男爵芋を効果的に使い分けることで、それぞれの品種の特性を最大限に活かすことができます。
ここからは、各種ジャガイモに最適な調理方法をご紹介します。
メークインの特性:煮込みや炒め物に最適
メークインはきめ細かくて硬めの質感が特徴で、煮込んでも崩れにくく、煮物や炒め物に最適です。
このジャガイモはしっとりしており、甘みが特徴的です。
適切な調理法を用いることで、様々な料理にその甘みを活かすことができます。
特にメークインを活用することをおすすめする料理は以下の通りです。
- 肉じゃが:煮込んでも形が崩れにくい
- カレーライス:煮込んでも形が崩れにくい
- ポトフ:長時間煮ても形が保持される
- ポテトグラタン:ジャガイモの甘みが料理をより美味しくする
- ジャーマンポテト:ジャガイモの甘味と、辛いマスタードとの相性が抜群
- 味噌汁:具だくさんの味噌汁に適している
メークインの甘味と煮崩れしない特長が活かせる料理ですね。
これらの料理でメークインを使用すると、その独特な特性をフルに活かすことができます。
男爵芋の魅力:フライやじゃがバターにぴったり
男爵芋はメークインよりもでんぷん含有量が少なく、粉っぽい質感があります。
これが加熱するとホクホクとした食感を生み出し、特に揚げ物やじゃがバターなどの料理に適しています。
このホクホク感を楽しむためには、ジャガイモは男爵芋を選ぶことをお勧めします。
以下、男爵芋を使ったおすすめの料理をいくつか紹介します。
- じゃがバター:バターとの相性が抜群
- コロッケ:ホクホクとした食感がコロッケの味を引き立てる
- ポテトサラダ:満足感のある食感が楽しめる
- フライドポテト:外はカリッと中はホクホクに仕上がる
これらの料理で男爵芋を使用することで、その特性を存分に引き出すことが可能です。
その他のジャガイモの品種と特徴
メークイン、男爵芋以外にもジャガイモの品種はたくさんあります。
ここからはその一部をご紹介します。
キタアカリじゃがいもの特徴
キタアカリは、鮮やかな黄色い内部で知られ、「栗じゃがいも」や「黄金男爵」とも呼ばれます。
見た目は男爵芋に似ていますが、キタアカリはより甘く、蒸すとホクホクとした食感が際立ちます。じゃがバターやフライドポテトに最適です。
ただ、煮物には向かないので、その点は注意が必要です。
北海道の研究所で「男爵芋」と「ツニカ」を掛け合わせて育成された品種のジャガイモです。
インカのめざめジャガイモの特徴
インカのめざめは、やや細長い形をしており、内部は濃い黄色が特徴です。
粘り気があり、そのためカレーやシチューなどの煮込み料理にぴったりです。
また、その鮮やかな色合いはサラダやお弁当を彩るのにも最適です。
「インカのめざめ」という名前は、古代アンデス文化にちなんで付けられました。
アンデスの伝統的な品種と北米の品種を交配して作られたジャガイモです。
じゃがいもの種類と特性についてまとめ
- 馬鈴薯はジャガイモの一般的な名前
- メークインと男爵は特定のジャガイモの品種
- 品種により、でんぷん含有量が異なり、それが食感の違いにつながる
それぞれの品種の特性を知り、適した調理法を選ぶことが、料理をより美味しくするための鍵となります。
ジャガイモを購入するときは、ぜひメークインと男爵芋を比較してみてください。