5月5日は、子供の日にあたり端午の節句として広く認識されています。
男の子をお持ちの家庭では、この季節に五月人形を飾ることが一般的ですが、いつから飾り、いつまでにしまうべきか、という疑問があります。
雛人形をしまう時期が遅れると「結婚が遅れる」という迷信があるように、五月人形にもそういった迷信があるのか気になるところです。
この記事では、五月人形を飾る最適な時期についてご紹介します。
五月人形の飾り始めの時期はいつ?
五月人形を飾る正確なルールはありませんが、多くの家庭では春分の日を過ぎた3月20日頃から4月中旬(4月20日頃)にかけて設置するのが一般的です。
この時期に設定される具体的な理由はなく、単に5月5日の子供の日が近づくにつれ、五月人形を飾る家庭が増えるからです。
春分の日から4月中旬の期間が標準的な設置期間とされていますが、下記のように他の時期に設置する習慣を持つ家庭もあります。
- ひな祭り(3月3日)が終わった直後、早ければ早いほど良いとされる「先手必勝」の精神に従って設置する。
- 春のお彼岸(3月18日〜24日頃)終了後に設置する。
- 子供の日(5月5日)の約1週間前から設置する。
- 春分の日から4月中旬までの間、晴れた日に設置する。
上記は一例で地域や家庭によっては設置する時期にバリエーションがありますが、早くてもひな祭り終了後、遅くても4月末までに飾ることがお勧めされています。
大安吉日など、特定の吉日を選んで設置する必要はありません。
五月人形を飾ってはいけない日はある?
では、五月人形を飾り始めてはいけない時期・日にちはあるのでしょうか。
こどもの日の前日である5月4日に飾り付ける「一夜飾り」は避けるべきで、縁起が悪いとされています。
五月人形をしまう時期はいつ?
五月人形をしまうための厳密なルールはありませんが、梅雨の前、晴れ間を狙うのが一般的にお勧めされています。
五月人形にとって、湿度は害となり得るため、高湿度でカビが生じることを避けるためにも、片付け時には湿度対策が重要です。防虫剤や乾燥剤を利用し、湿度が低めの保管場所を選ぶことが望ましいです。
梅雨入りする前に五月人形をきれいに掃除し、ホコリや汚れを取り除いた後に保管することが理想的です。
実際、多くの家庭では5月の中旬から月末にかけて五月人形を片付けることが多いようで、その期間が一般的な片付け期間とされていますが、端午の節句直後に片付けを始める家庭もあります。
五月人形の片付けに際して、飾るときと同様、大安吉日を選ぶ必要は特にないようです。
5月下旬や梅雨の季節が近づく前には、湿気を避けるためにも晴れた日に片付けを行いたいですね。
五月人形の片付けの言い伝えは?一年中飾ってもいい?
雛人形をしまう時期が遅れると「結婚が遅れる」という迷信のようなものは、五月人形にはありません。
実際には、一年中飾り続けている家庭もあるようです。
五月人形は、家の中で一年を通して楽しめる装飾品であり、守り神として家族を見守るとされることもあります。
五月人形を一年中飾っておくことに関する迷信はありませんが、季節ごとの行事として意識し、季節の変わり目を楽しむためにも、ちょうど良い時期に片付けをすることが理想的です。
五月人形は何歳まで飾るべき?どれくらいの期間飾るの?
五月人形を飾る正確な期間には、決まりは特にありません。お住いの地域や家庭の伝統、慣習に従うことが大切です。
引越しやスペースの問題、設置や撤去の手間を理由に早めに飾ることを止める家庭もありますが、成人するまで毎年飾り続ける習慣の家庭もあります。
五月人形は男の子の健やかな成長と幸せを願う象徴であり、中学校の卒業、成人式、結婚など、人生の大切な節目まで飾り続けるのも素晴らしい伝統ですよね。
父親の五月人形を引き継ぐことはできる?
五月人形は、子供を災厄から守るためのもので、子供一人につき一体ずつ用意するのが望ましいです。
親から子への五月人形の引継ぎは「厄を引き継ぐ」ことになるため避けたほうがよいでしょう。
愛着のある五月人形、子どもの五月人形と一緒に父親の五月人形も並べて飾ってみてはいかがでしょうか。世代を超えて飾られる五月人形はまた素敵な光景といえます。
五月人形は成人したからといって処分する必要は必ずしもなく、代々大切にすることも良い選択肢です。
五月人形を保管する際に気をつけるポイントは?
ここからは五月人形を保管する際に気をつけるポイントについて解説します。
五月人形を保管する場所
換気が良く通気性の高い場所
湿気は五月人形の大敵であり、カビの原因にもなり得るため、風通しの良い場所での保管が望ましいです。通気性を高めるために、定期的に空気の入れ替えを行ったり、すのこを利用するのもおすすめです。
湿度と温度の変化が少ない場所
昼夜の大きな温度差は結露を引き起こしやすく、それが金属部分の錆やカビの増殖につながる可能性があります。
直射日光が当たらない場所
直射日光は、色あせや変色を引き起こす原因になります。
五月人形の保管方法
保管前の準備
保管前には、羽根ばたきでホコリをきちんと取り除き、金属部分や塗装面についた汚れを柔らかい布で拭き取ります。
これにより、虫害やシミ、錆を防ぐことができます。
防虫剤を使用する際の注意
防虫剤を使用する際には、人形専用の製品を選び、衣類用の防虫剤は避けることが重要です。衣類用の防虫剤に含まれる成分が、金属やプラスチックに悪影響を及ぼすことがあります。
防虫剤と乾燥剤を一緒に使うことは避け、化学反応によるダメージがないように注意してください。
また、乾燥剤の使用量も確認し、過乾燥による材質のひび割れが起きないようにしましょう。
五月人形の種類
五月人形は、武将が鎧兜を身に着けて自分の命を守ったことから、子供が元気よく育つことを願って飾られるようになったものです。
ここからは、端午の節句で飾られる五月人形(武者人形)の種類を解説します。
鎧兜や歴史上の人物、魔よけの神様の人形があります。
鎧兜
平安時代に、甲冑をつけて騎射を行った儀式の名残といわれています。
江戸時代には、旗のそばに厚紙で作った兜を飾る風習がありました。
現在では徳川家康公や上杉謙信公などの、歴史上有名な武将の兜もあります。
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金太郎
平安時代の武術の達人「坂田金時」の幼名です。昔話で有名ですね。
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牛若丸
鞍馬山で天狗と修業し、武術に磨きをかけた牛若丸(後の源義経)。五条の大橋で力自慢の弁慶を打ち破り、家来にしました。
弁慶
比叡山で修行を積んだ僧侶だった弁慶は、自らの武術の腕前を用いて牛若丸を守り、忠実に仕えました。その深い忠誠心がよく知られています。
鍾馗
鍾馗(しょうき)様は中国において魔除けの神として知られています。特に疫病から子どもたちを守ってくれる神様で、受験の守り神としても親しまれています。
五月人形はいつからいつまで飾るのか?まとめ
- 春分の日を過ぎたころから4月中旬までの間に飾り付けるのが一般的
- 遅くても4月末までに飾るのが良い
- 大安吉日などは気にしなくてOK
- 前日に飾るのは避けたほうが良い
- 長く飾っておくことに問題はない
- 湿気をさける為にも梅雨前の晴れた日にしまうのがおすすめ