今の季節、市場では様々な季節限定の野菜が手頃な価格で手に入ります。旬の野菜は特に味も良く、つい多く購入してしまいがちです。しかし、気温が高いと野菜が腐りやすいため、使い忘れがちな野菜が出てくることもありますよね。
実は、多くの野菜は冷凍保存が可能です。冷凍適性が高い野菜や冷凍時のポイントについて解説します。
野菜の冷凍可否
野菜を冷凍すると、中の水分が氷結晶となってしまいます。
家庭用の冷凍庫は業務用のように速やかに冷凍することができないため、氷結晶が大きくなり野菜の細胞を破損する可能性があります。
解凍時にこれらの結晶が細胞を破壊し、食感を損なうことがあります。
そのため、水分が多い野菜は冷凍に向かないことが多いですが、適切な方法での処理によっては冷凍保存が可能です。
冷凍に向く野菜
ほうれん草、小松菜、水菜、ブロッコリー、ピーマン、ゴーヤ、アスパラガス、生姜、大葉、ミョウガ、ニンニクなど
その他、キャベツやレタス、トマト、大根、カボチャ、きゅうり、玉ねぎ、ニンジン、じゃがいも、さつまいも、きのこ類、もやし、ニラ、白菜、ねぎ、なす、ズッキーニ、オクラ、ゴボウ、スナップエンドウなども適切な下処理を施せば冷凍で保存できます。
果物については水分量が多いため、冷凍には向きません。旬の間に食べるのが最良です。
冷凍野菜のメリット・デメリット
ここからは、野菜を冷凍することで得られるメリット、デメリットを解説します。
冷凍野菜のメリット
- 長期保存が可能: 冷凍することで、通常の野菜室よりも長く保存が可能になり、料理のバリエーションを増やすことができます。ただし、長期間保存すると品質が低下するため、だいたい1ヶ月以内の使用を推奨します。
- 栄養の保持: 野菜を加熱すると栄養が減少することがありますが、冷凍により栄養素を保持することが可能です。ブロッコリーやニンジンに多く含まれるビタミンCやカロテン、ポリフェノールなどの栄養素が保存されやすくなります。
- 使用時の便利さ: 野菜をあらかじめ切っておく、または茹でておくことで、解凍せずに直接料理に利用できるため、調理時間が短縮されます。
冷凍野菜のデメリット
- 食感の変化: 冷凍した野菜は生のものと比べて食感が異なることがあります。特に繊維質が多い野菜では食感が損なわれやすいため、注意が必要です。
- 生食に不向き: 生食用のレタスやキャベツなども冷凍することは可能ですが、加熱して使用するのが適しています。スープや炒め物などに使うと良いでしょう。
- 匂いの変化: 特定の野菜は冷凍すると匂いが変わることがあります。特にカボチャは茹でてから冷凍すると良いでしょう。種やワタを取り除くことも大切です。
- 水分の分離: 冷凍時に形成される氷結晶が解凍すると野菜の繊維を破壊し、水分が分離することがあります。冷凍前に野菜をよく洗い、水分をしっかりと拭き取ることが重要です。
冷凍野菜のコツ
野菜を冷凍する際は以下の点を注意してください：
- 野菜をきちんと洗い、水分をよく拭き取る。
- 食べやすい大きさにカットする。
- 保存袋に入れ、平らに並べて保存する。
- 可能であれば、アルミバットなどで広げ、早く均一に冷やすことが望ましい。
これにより、冷凍した野菜は解凍せずにそのまま料理に使用でき、平たく薄く冷凍することで必要な分だけ簡単に取り出すことが可能です。
加熱が必要な野菜
カボチャ、じゃがいも、さつまいも、ゴーヤ、ブロッコリーなど
上記の野菜は食感や色を保持するために加熱が推奨されます。
これらを茹でてから冷凍すると、使い勝手が向上します。
特別な下処理が必要な野菜
- きゅうり: 水分が多いため、塩もみしてから水分を絞り出して冷凍すると良いです。
- ゴボウ: 繊維質とアクが多いため、アクを抜くために水にさらし、食べやすい大きさにカットしてから油で炒めて冷凍することが推奨されます。
- トマト: 冷凍するときはヘタを取らずに行い、解凍時に水洗いすると皮が簡単に剥けます。
野菜を冷凍保存するポイントまとめ
生姜やニンニクなど、少量で使う薬味類はカットしてそのまま冷凍することで、使い勝手が良くなり、無駄が防げます。
適切な下処理を施すことで、野菜は冷凍保存に適した状態になり、料理の準備が容易になります。
ただし、冷凍保存の期間はおよそ1ヶ月が目安ですので、鮮度を保つための管理には注意が必要です。
