お菓子作りで必要な無塩バターですが、うっかり有塩バターを買ってしまったり、手元にマーガリンしかない時に、これら他のもので無塩バターの代用にならないか気になりますよね。
無塩バターは有塩バターと比べて価格も少し高めなので、あるもので代用できるならいいな、と考える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、無塩バターの代わりに有塩バターやマーガリンで代用する際のポイントを詳しく解説します。代替品を選ぶ際の注意点や適切な量、混ぜ方などご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
無塩バターをお菓子作りで使う理由
お菓子作りに無塩バターが好まれる理由は、お菓子にはたくさんのバターが使われるため、有塩バターを使うと塩分が多くなりすぎ、甘さが損なわれてしまうことがあるからです。
また、塩分は小麦粉のグルテンを強くする作用があり、これがお菓子の理想的な食感を損ねることもあります。
軽くて柔らかいスポンジ、サクサクのクッキー、パリッとしたタルトを作る際には、グルテンの反応を抑えることが大切で、そのために無塩バターが効果的なのです。
無塩バターと有塩バターの違いと特徴
無塩バターと有塩バターは見た目は似ていますが、成分や製造方法には明確な違いが存在します。無塩バターは塩を一切加えずに作られるため、「食塩不使用バター」と称されることがありますが、原料の生乳自体に微量の塩分が含まれているため、完全な無塩とは言えません。
対照的に、有塩バターは正式には「加塩バター」といい、製造過程で1~2%の塩が加えられます。これにより保存性が高まり、風味も強化されます。
使用目的に応じて適切なバターを選ぶことが大切で、無塩バターはバター本来の風味を引き立てたいお菓子作りに特に適しています。
有塩バターを使ったお菓子作りのコツ
有塩バターは製造時に塩を加えることで、無塩バターよりも保存性が高く、風味にも深みが加わります。主にパンの塗りバターや料理に使われますが、お菓子作りでもその特性を活かすことができます。
お菓子を作る際に有塩バターを使用するときは、含まれる塩分を考慮してレシピを調整する必要があります。無塩バターとは異なる特性を持つため、使用する際には次の点に注意しましょう。
有塩バターを使う際の塩分調整について
有塩バターには、100g当たり約1.4~1.6gの塩分が含まれており、製品によってはこれよりも多いことがあります。そのため、レシピどおりに使用すると、お菓子が意図せず塩辛くなることがあります。この問題を避けるため、有塩バターを使用する際は無塩バターの量を10%ほど減らすか、レシピの塩分量を調整することが大切です。また、最終的な味のバランスを見るために、調理中に味見をすることをお勧めします。
有塩バターを使ったお菓子作りでの生地の扱い方
有塩バターには塩分が含まれており、これが小麦粉のグルテンを強化し、生地が粘りやすくなることがあります。お菓子作りで有塩バターを使う際には、小麦粉を加える時にはさっくりと軽く混ぜることがポイントです。生地を強く混ぜすぎると、結果的に重たくなってしまう恐れがあります。また、有塩バターは無塩バターと比べて形が保ちにくいため、使用する前には冷蔵庫で十分に冷やすことが推奨されます。
有塩バターの特性とお菓子作りでの注意点
有塩バターはその豊かな風味が特徴ですが、お菓子作りに使うときは塩味が強調されることがあります。特に、チョコレートや砂糖を多用する甘いレシピでは、その塩気が適さない場合があります。
たとえば、ガトーショコラやチーズケーキのような濃厚なデザートを作る際に有塩バターを使用すると、塩味が前面に出過ぎて甘みのバランスを崩すことがあります。これを避けるためには、砂糖を増量するか、ココアやチーズのような苦味や酸味のある材料を加えると、塩気を抑えることができます。
バターをマーガリンで代用する際の注意点
マーガリンはバターが手に入らない時の便利な代替品です。マーガリンはパンに塗るだけでなく、お菓子作りにも使えるため、幅広く活用できます。
バターとマーガリンは似ているようでも異なるもので、最大の違いは成分と風味にあります。
バターは乳脂肪が主成分で、濃厚な味わいが特徴です。一方、マーガリンは植物油が主成分で、比較的軽やかな味わいがします。
市場にはバター風味を加えたマーガリンもあり、これを使用するとバターに近い風味に近づけることが可能です。
バターとマーガリンの味の違いと使い分け
ここからは、バターとマーガリンの味の違いと使い分けについてご説明します。
マーガリンにひと工夫必要な場合
マーガリンはバターよりもコクや風味が控えめであり、バターを使うべきところをマーガリンで代用すると、一部のお菓子で満足感が少ないことがあります。
その場合には、バニラエッセンスやレモン汁で香りを加えたり、ナッツやチョコレートでトッピングすると、味わいが豊かになります。
マーガリン使用がおすすめなお菓子
焼き菓子にはマーガリンがおすすめです。空気を含む力が弱いため、ふわふわのスポンジケーキには不向きですが、サクサクしたクッキーやしっとりしたカップケーキには適しています。
マーガリンはチョコレートとも良く合うため、ブラウニーやガトーショコラなどのチョコレートケーキにも適しています。甘さのバランスを考えると、食塩不使用のマーガリンが適切です。
マーガリン使用は避けたほうがよいお菓子
バターの風味が強調されるタルトやパイ、フィナンシェなどにはマーガリンは向いていません。これらのお菓子には、風味を引き立てるために有塩バターの使用が適しています。
マーガリン使用時の注意点
マーガリンは無塩バターとは異なる性質を持っているため、使用する際には以下の点に注意してください。
マーガリンの柔らかさと取り扱い方
マーガリンは植物油を基に作られていて、無塩バターに比べて柔らかさが特徴です。このため、お菓子作りでは室温で簡単に混ぜることが可能です。
しかし、室温が高い場合は溶けやすくなるので、使う直前に冷蔵庫から取り出すことが望ましいです。気温や湿度に応じて適切な管理が必要です。
マーガリン使用時の塩分調整の重要性
マーガリンは塩分を含んでいるため、一般的に100gにつき1~2gの塩が入っていますが、商品によってはそれ以上の場合もあります。
このため、無塩バターを使うところをマーガリンで代用してレシピどおりに作ると、料理やお菓子が思ったよりも塩辛くなってしまうことがあります。
マーガリンを使う場合は、もともとの無塩バターの量を約10%減らしたり、レシピの塩分を調整するなど、味を見ながら適切に塩分を加減することが大切です。
お菓子作りに最適な無塩マーガリンの特長
実は、マーガリンにも無塩のものがあります。お菓子作り向けの無塩マーガリン(ケーキ用マーガリン)は、無塩バターの代替としても優れています。
無塩マーガリンは特に以下の点でお菓子作りにおすすめです。
- 泡立ちが良い
- 味が良い
- 価格が手頃で、容易に購入可能
しかし、無塩マーガリンは無塩バターとは異なる性質を持つため、使用する際には注意が必要です。
低温でも柔らかい無塩マーガリンの特徴
無塩マーガリンは、無塩バターに比べて低温でも固まりにくい性質を持っています。
通常の冷蔵庫の温度(10度以下)では固体になりづらいため、お菓子作りで使う際は冷蔵庫から出してすぐに使えます。
ただし、室温下では溶けやすいため、気温や湿度によっては冷蔵庫での保存が必要です。
マーガリンの風味とその特性について
無塩マーガリンは、通常のマーガリンと同じく、バターに比べて風味とコクが控えめです。これはマーガリンが乳脂肪分が少なく、主に植物性油脂で作られているからで、バター独特の濃厚な味は出ません。
特にバターの豊かな風味が求められるシフォンケーキやパウンドケーキなどのスポンジケーキには向いていません。無塩マーガリンを使用すると、これらのケーキの生地が必要なふんわり感を保てず、逆にしっとりしすぎる可能性があります。
しかし、無塩マーガリンの泡立ちやすさや混ぜやすさは、ホットケーキミックスを使用したクッキーやシンプルなパウンドケーキなど、簡単に作れる焼き菓子には適しています。
無塩バターの料理での活用
無塩バターは通常、お菓子作りで使用されますが、使い切れずに余ってしまうこともありますよね。
この余った無塩バターは、普通の料理にも活用することができます。その場合は、塩分が含まれていないため、料理に応じて適量の塩を加えることで、美味しくバターの風味を味わえます。
無塩バターの代わりに有塩バターやマーガリンを使う方法と注意点:まとめ
この記事では、無塩バターの代わりに使用する有塩バターやマーガリンの長所と短所、適したお菓子の種類、そして使用する際の注意点について詳しく説明しました。
無塩バターは多くのお菓子作りで欠かせない材料ですが、場合によっては手に入りにくいこともありますよね。そんな時、有塩バターやマーガリンが役立つ代替品となることがあります。
ただし、これらの代替材を使用する際は、それぞれの特性をしっかり理解し、正しい使用方法を把握しておくことが大切です。
お菓子作りの際、マーガリンとバターの代用に迷ったら、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。